かつては大切に着ていたのに、今の自分には合わなくなった服。

サイズが変わったから。
仕事や立場が変わったから。
以前は似合っていたはずなのに、今着ると、どこか違うと感じるから。

そんな服が、クローゼットの中に眠っていないでしょうか。

着なくなったからといって、その服の価値までなくなったわけではありません。

その服には、その人が生きてきた時間があります。

今回は「未来のスーツ」最終回として、役目を終えた服から何を手放し、何を未来へ継いでいくのかを考えたいと思います。

服には、その人が生きてきた時間がある

一着の服には、目に見える形や色だけではなく、さまざまな背景があります。

誰が、どこでつくったのか。
なぜ、その素材を選んだのか。
なぜ、その服を好きになったのか。
どんな場所へ着て行ったのか。
その服を着て、どんな役割を果たしてきたのか。

大切な仕事の日に、自信を与えてくれた服かもしれません。

人前に立つ自分を守ってくれた服かもしれません。

社会の中で、自分の立場や信用を示すために必要だった服かもしれません。

服には、その時の身体だけでなく、役割や覚悟、緊張、希望まで残っているように思います。

だから私は、服の価値を「新しいか、古いか」だけで判断したくありません。

服と人が過ごしてきた時間を、次へ継ぐ方法があると思っています。

新品を売るだけが、服の価値提供ではない

新しい服を仕立てることだけが、オーダーの仕事ではありません。

傷んだ部分を修理する。
今の身体に合わせてサイズを変える。
これからの役割に合わせてリデザインする。
次に必要とする人へ、リセールという形でつなぐ。

服を残し、次へつなぐ方法は一つではありません。

そしてリデザインは、単に古い服を今風につくり直すことでも、節約のために再利用することでもありません。

まず、その服をあらためて見てみる。

なぜ、この服を選んだのか。
どんな場所へ着て行ったのか。
この服を着て、どのような役割を果たしてきたのか。

そして、この服から、すでに役目を終えたものを見つける。

過去の役割を脱がせ、これから実現したい希望をのせた形へ変える。

強く見せるために必要だった肩。
隙のない自分をつくるための襟。
緊張を保つために身体を包んでいたシルエット。

それらをただ取り除くのではなく、

「これから、どんな自分として立ちたいのか」
「誰と、どのように関わっていきたいのか」
「この服を着て、どんな未来へ向かいたいのか」

を考え、新しい形として仕立て直します。

けれど、必ずしも実際に服をつくり変えなければならないわけではありません。

その服と過ごした時間を振り返り、今の身体や役割を見つめ、これから実現したい未来について考える。

もう必要のない役割は何か。
これからも大切に持っていきたいものは何か。
次の自分は、何を身に纏って生きていきたいのか。

服を前にして、そう考える時間を持つ。

それだけでも、十分に価値があることだと思います。

服をリデザインする前に、自分の生き方が再編集されていくことがある。

実際に形を変えるのか。
修理して着続けるのか。
誰かへつなぐのか。
感謝して手放すのか。

その答えは、一人ひとり違います。

大切なのは、過去の服を何となく処分するのではなく、その服と生きた自分を受け取り直し、自分の意志で次を選ぶことです。

そして実際に形を変える時は、その人の過去を知り、現在の身体と役割を見て、未来の希望に合わせて一着ずつ考える。

これは、着る人と対話しながらつくる、オーダーだからこそ成り立つ変容のさせ方です。

過去の自分ごと、未来へ連れて行く

新しい自分になりたいと思った時、過去の自分を否定したり、無視したり、置き去りにしてしまうことはないでしょうか。

「あの頃の自分は、本当の自分ではなかった」
「もっと早く変わればよかった」
「過去の自分には、もう戻りたくない」

そう思うこともあるかもしれません。

けれど、その時の自分も、今の自分につながっています。

強く見せなければ立てなかった自分。
人から認められるために、鎧を必要としていた自分。
自分の気持ちよりも、求められた役割を優先していた自分。

その自分が頑張ってきたから、今ここに立つことができています。

だから、未来へ向かう時に、過去の自分を置き去りにはしない。

役目を終えたものは手放しても、その時間や経験まで切り捨てる必要はありません。

過去の自分を否定するのではなく、その自分も必ず連れて未来へ行く。

服のリデザインとは、過去を消して新しい姿につくり替えることではありません。

過去の自分が大切にしてきたものを受け取り、今の自分の意志を通し、これからの希望をのせて形を変えることです。

「過去の自分ごと未来へ連れて行く設計」

服から過去の役割だけを脱がせ、そこで生きてきた自分の時間は残す。

過去と現在を分断せず、一着の服として次の未来へつないでいく。

それが、DRESSSTがつくりたいリデザインです。

完成品より、変容のプロセスを見せたい

服のビフォーアフターというと、

「痩せて見えた」
「若く見えた」
「おしゃれになった」

という変化が注目されることがあります。

もちろん、外見が美しく整うことも大切です。

けれど、DRESSSTが伝えたいのは、それだけではありません。

他人や社会から与えられた鎧を着ていた人が、自分自身の力で立つようになる。

服を変える前に、何を手放すのかを考える。

これから何を大切にするのかを決める。

未来の自分に必要な服を、自分の意志で選び直す。

完成した服だけではなく、その過程で、その人の言葉や姿勢、選択が変わっていく。

私は、その変容のプロセスにこそ、服を仕立てる意味があると思っています。

服の時間を継ぐことは、生き方を継ぐこと

時代が変われば、スーツの意味も変わります。

スーツは、社会の中で信用を示す服として使われてきました。

一枚の生地に意志を通し、その人のメッセージを全身で伝える服でもあります。

社会から着せられた鎧を、自分の意志で選び直す。

決められた一揃いから自由になり、人生を支えるワードローブをつくる。

そして、役目を終えた服から過去の役割を脱がせ、未来へ継いでいく。

服は、完成した瞬間で終わるものではありません。

着る人の身体や役割、生き方とともに、変わり続けるものです。

未来のスーツは、成功者に見せるための服ではありません。

これから実現する未来を先に身体に着せ、その人の言葉、姿勢、行動を、未来側へ引き寄せる服です。

これからの服を、ともにつくる方へ

DRESSSTでは現在、

  • これからの時代のオーダースーツをつくるスタイリストになりたい方
  • 自分の思想や未来を表す一着をつくりたい方
  • オーダースーツを新たな商品やサービスとして取り扱いたい企業・事業者の方

を募集しています。

新しい服をつくることだけが目的ではありません。

これまで着てきた服に残っている時間を読み、残すものと手放すものを見つけ、次の生き方にふさわしい形へ仕立て直す。

DRESSSTが提供するのは、単なるオーダースーツではありません。

その人の過去・現在・未来を読み、一枚の布に、次の生き方を託す仕事です。

まずは「NEXT STYLE発見・無料45分」で、これまでの服と、これから実現したい未来についてお聞かせください。

▼NEXT STYLE発見・無料45分
https://scheduler.zoom.us/gvogmeevbg7si6sylv3u46y8b0/45-next-style-